遠くへ行く理由 2 マイノリティになってみる

遠くへ行く理由 2 マイノリティになってみる

日本にいると、言葉が通じる。街の歩き方も、何となくわかる。普段は、それがどれだけ楽なことか考えない。

日本の外に出ると、少しだけ立場が変わる。自分が、その場所のことを知らない側になる。

ベトナムで年始を過ごしたとき、サッカーのパブリックビューイングに行った。あんなにたくさんの人が夢中になるとは知らなかった。料理も、知っているものはほんの一部。食べたことのない料理やハーブが次々に出てくる。

その土地では当たり前のことを、自分だけが知らない。それが面白くもあるし、ときには少し戸惑う。

そんなとき、誰かが声をかけてくれたり、わかるように伝えてくれたりすると嬉しい。大きなことをしてもらわなくても、その人の気持ちは残る。

日本に帰ってから、困っている人や、まだ何も知らない人を見かけたとき、どう接したら嬉しいだろうと考えるようになった。

声をかけるのは、お節介かもしれない。そっとしておいたほうがいいときもあると思う。それでも、自分が知らない側にいたときの気持ちは、忘れずにいたい。

遠くへ行く理由は、新しいものを見るためだけではないのかもしれない。帰ってきてから、目の前の人への接し方が少し変わる。そんなところにも、旅の意味があるような気がする。


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